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(心に浮かんだ)「考え」を書いたもの。

働くことと男と女、そして幸福度の話(1)

<女性活躍推進法>成立 管理職の数値目標設定の公表など (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 女性管理職の割合に数値目標の設定などを義務付ける「女性活躍推進法」は28日午前、参院本会議で自民、民主、公明各党などの賛成多数で可決され、成立した。従業員301人以上の企業と、雇用主としての国や自治体は、女性登用の推進に向けた「行動計画」の策定と公表を求められる。数値目標の水準は各企業などに委ね、罰則規定もないが、計画策定と公表の義務付けによって女性登用を進める効果を狙っている。

 

 昨日8月28日(金)に参院で「女性活躍推進法」が可決、成立しました。
これによって、企業や自治体等には女性の雇用・登用の推進に関して行動計画の策定と公開が求められるようになりました。女性管理職の増加や、育児と仕事の両立を図る等の女性にとっての働きやすい環境づくりへの政策的なバックアップがまた一つ生まれたということでしょう。
 育児仕事の両立という観点からすると、一方でまだまだ企業では“男性”が育休・産休の取得することに抵抗がある感じもするので、性差の区別なく制度を活用しやすくなる社会環境づくりも進めてほしいですね。頭の固いおじさまたちの柔軟な発想を鍛えていくべきだと思いますよ。

 

 働くことと男と女、そして幸福度の話。

 さておき、H26年度内閣府発表の『男女共同参画白書』に興味深いデータが載っておりましたのでご紹介します。下のグラフは就業状態別に「現在幸せである」と回答した人たちの割合を出したものです。H26年度の発表ですが、データは2010年のものです。

 

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 グラフの横軸項目を説明すると、正規雇用者は経営者・役員と常用雇用の一般従業者(正社員)をしている人たち、非正規雇用者は臨時雇用(パート・アルバイト・内職)と派遣社員の合計です。自営業主・家族従業者は、自営業主・自由業者と家族従業者の合計です。退職者については「定年などで仕事をやめた」人であり、主婦は「主に家事をしている」と答えた人たちを示します。

 まず、このグラフからはオレンジ色のグラフの大きさに注目できます。オレンジは女性の回答者の割合を示しており、水色(男性)に比べると女性(オレンジ)の方が今現在の生活に幸せを感じている人が多い傾向にあることが確認できます。女性のグラフからは、学生や主婦の幸福度の高さが目を引く一方で、女性従業員(正規雇用非正規雇用問わず)の相対的な幸福度の低さが注目されます。自営業主(社長さん等)や学生・主婦といった職業に今現在就いている人に比べて、会社や役所で働いている女性たちは「私今幸せだー!」とはなかなか感じにくい環境にあるということでしょうか…?

 「わたし幸せです、余計なお世話です!」という方がいらっしゃいましたら、申し訳ありません。あくまで、平均値のデータのお話です。

 ライフワークバランスの充実が労働環境を考える上での一つの視座として捉えられる昨今、この幸福度という働きやすさと生活のちょうど良いバランスを示した指標は女性活躍推進を考える上でも大事な視点なのかなと思います。このたび成立した女性活躍推進法では、女性活躍を示す数値的な目標については企業の裁量に委ねるとあります。女性従業員比率や管理職の割合、等がメジャーな指標になってくるとは思いますが…。

 来年度以降、働く女性たちの「しあわせ」回答割合が増加してくることを願います。

 

 お金を稼ぎすぎても幸せではないということ。

  なお、男性の幸福度についても面白い傾向が見られました。同じく「男女共同参画白書」から、世帯員当たり世帯収入別の「現在幸せである」と回答した人たちの割合のデータを以下に示します。
 この「世帯員当たり世帯収入」とは「本人・配偶者の合計収入」を「1+0.5×(本人除く16歳以上の世帯人数)+0.3×(15歳以下世帯人数)」で算出されています。

 たとえば、大学生の子ども1人と中学生の子ども1人を持つ4人家族の夫妻(夫400万円、妻110万円だと仮定)の場合だと、
世帯員当たり世帯収入=410万円+110万円/1+(0.5×1)+(0.3×1)
          =510万円/1.8
          =283.33万円
となります。
 子どもを持たない共働きの夫婦(夫300万円、妻250万円)の場合だと、世帯員当たり世帯収入は330万円+250万円/1+(0.5×0)+(0.3×0)=550万円/1=550万円となります。

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 グラフに示される傾向としては、世帯収入が450万円に乗るか乗らないか(子どもが2人(高校生1人、中学生1人)いる片働きの夫婦だとすると、年収は1000万円程度)のところまでは順調に「幸せ」だと感じる人が増えているようです。
 ※もちろんここに示される世帯収入の数字は、世帯主・配偶者の収入や家族構成によって金額が変わります。ですから、この「世帯員当たり世帯収入」からある世帯の経済的な余裕を一概に判断することはできません。

 しかし、興味深いことに、男性の場合は450万円以降、幸福を感じる人が減る傾向にあります。確かに、いくら年収が高くてお金をいっぱい稼げたとしても、年収800万円くらいを境に幸福度の伸びは減退する、というような話を聞いたことがあります。だとすると、このグラフに示される傾向も同様のものなのかもしれません。また一方で、女性の幸福度600万円以降、2倍近く上昇している点も実に興味深いですね。


 世帯員別世帯収入では、様々な家族構成パターンを網羅的に含んでしまっているため精緻な検討を行うことはできませんが、世帯収入の代わりに今回のグラフの横軸に「労働時間」「家族での時間」「可処分所得」といった数値を代入することで、ライフワークバランスと幸福度を探る何か発見があるかもしれません。
 

とりとめもなく長くなってしまいました。
(2)に続きます。