悪評高いUSB-Cへの全面刷新でMacBookProが進化した
この記事の目次
- 1.PayPayキャンペーンでMacBookProを新調した
- 2.Appleが下したUSB-Cへの全面切替で私が喪ったもの
- 3. USB-Cを全面導入したら、意外と作業が楽になった
- 4. 新MacBookProのUSB-Cへの刷新は案外悪くない
1.PayPayキャンペーンでMacBookProを新調した
昨年末、世間を騒がせたPayPayの20%ポイントバックキャンペーンのポイントが付与されてきました。私もPaypayのキャンペーンを機会に、Bluetoothの調子が悪かったパソコン(MacBookPro)を買い替えました。
購入したのは、MacBookPro TouchBarなし 13インチモデルなのですが、最近のAppleはMacBookからUSB-AやHDMI、カードリーダーといった端子を取り除き、全てUSB-Cに切り替えてしまっています。これまで買い揃えたアクセサリーが使えなくなってしまうので悪評もあるUSB-Cの全面導入ですが、考え方によっては、作業環境をさらに便利に進化させてくれるものなのかもしれないと思い、ブログにしました。
この記事は、背面が白く光る頃のMacBookProから、USB-Cに全面切り替えしまった新たなMacBookProを購入した私の感想です。 写真をそこそこ取っていてPCでSDカードのデータ取り込みしていたり、本体ディスプレイとは別にHDMIやThunderboltを繋げて外部ディスプレイを使っている方にはご参考いただけるかもしれません。
2.Appleが下したUSB-Cへの全面切替で私が喪ったもの
まず、私がこれまで使っていた端末はMacBook Pro Early 2015モデル(以下「旧MacBookPro」)でした(型番でいうとMF840J/Aです。)
旧MacBookProのポート仕様としては、USBポート2基、HDMI、Thunderbolt、sdカードリーダー、magsafe2電源が付いていましたので、今回の新MacBookProへのお引越しでこれらのポートを喪うことになります。
旧MacBookProのポート仕様は以下の通りです。
この中で、お引越しによる影響が特に大きかったのは、USB-Aポート、HDMI(Thunderbolt)、SDカードリーダーの廃止です。結局のところ、MacBookProの刷新によって廃止されたほぼ全てのポートについて影響が出てきました。
具体的な影響を以下にご説明します。
まず、私の運用スタイルとして、文書作成等の作業環境は、外部キーボード(有線)と外部ディスプレイ(HDMI)を使うことで、MacBookProをデスクトップPCのようにしています。新MacBookProから、USB-Aポートが無くなったことで、外部キーボードをつなげての文字入力やHDMI・Thunderboltをつないでの外部ディスプレイへの画面出力ができなくなりました。作業時に、大きな画面と打ちやすいキーボードを使うことができなくなりましたので、作業の効率性がだいぶ下がることになりました。
また、SDカードリーダー廃止の影響としては、デジタルカメラからのデータ取り込みが簡単にできなくなりました。これまではカメラで写真を撮ったら、カメラからSDカードを取り出してPCに直挿しすることで、撮影後すぐにデータ取り込みできていましたが、別途USBのSDカードリーダーを使う必要が出てきました。
USBにしても新MacBookProでは、USB-Cポートしかありませんので、USB-C ←→USB-Aの変換ケーブルが必要になります。SDカードリーダーを使用する度に、追加で新たなケーブルを挿し込まないといけないので、ツールとしての利便性が下がりました。
つまり、新MacBookProへのお引越しによって、これまで旧MacbookProで運用できていた「本体1台あれば外部ディスプレイ、外部キーボード、SDカードリーダーを接続できる」という作業環境を一掃しなければならなくなったのです。
旧MacBookProを使っていた時の運用イメージを以下に示します。
3. USB-Cを全面導入したら、意外と作業が楽になった
旧MacBookProから新MacBookProへお引越しすることでこれまでの作業環境が整えられなくなる、というこの問題に対して何かしらの対策を取る必要性があります。
(1) 変換アダプターが簡単な解決方法
基本的には、USB-C用の変換アダプターを使うことが簡単な方法です。アダプターを使うことで、USB-AやHDMIケーブルを新MacBookProにつなげることができます。そのため、これまで使用してきた外部キーボード、外部ディスプレイ、SDカードリーダーはそのまま使うことができます。
問題は、新MacBookProには、USB-Cポートが2基しかないということです。 新MacBookProのポート仕様を以下に示しておきます。(TouchBarなしの13インチです。15インチ型は左右×2基の4基搭載しています)
なぜ、ポートが2基しかないことが問題なのか? 私はPC端末を外部ディスプレイに接続しておりますので、クラムシェルモードを使用しています。
このクラムシェルモード。起動するためには端末が電源に接続されている必要があります。 つまり、2基あるUSB-Cポートのうち、1基は充電ケーブル用に占有されることになります。
そのため、残り1基のUSB-Cポートで、①キーボード用のUSB、②ディスプレイ接続用HDMI、③SDカードリーダー用のUSB、この3種類のケーブルの接続をまかなわなければいけません。
おそらく、AppleもこのUSB-Cへの切り替えに伴う機器接続の問題は認識していて、周辺アクセサリーとして、純正のUSB-C用の変換アダプターを販売しています。(値段は…かなりお高いです。)
この純正アクセサリーを使うと、USB-Cポート1つで、HDMI、USB、USB-Cの機器と接続可能になります。 AmazonBasicでApple純正と同等の機能を備えた製品を見つけましたので、そちらをご紹介します。値段も半額以下なので、おすすめです。
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(2) USB-C変換アダプターでケーブルをまとめる
この変換アダプターが大変優秀でした。
HDMI、USB、USB-Cのケーブルを1つにまとめることができるので、キーボード用USBとディスプレイ用HDMIを新MacBookProにつなげられるようになるだけでなく、クラムシェルモードを動かすために必要な充電用USB-Cまで1つのケーブルにまとめることができました。
旧MacBookProでは、デスクに座ってから、端末にキーボードを接続し、ディスプレイを接続し、充電ケーブルを接続する、というスリーアクションで作業環境を整えていました。ですが、新MacBookProでは変換アダプターのUSB-C1本を端末に接続しさえすれば、ワンアクションで作業環境を整えることができるようになり、圧倒的に楽になりました。PCを開くことが億劫にならなくなったので、これは新MacBookProがUSB-Cへ全面的に切り替えたことでの怪我の功名と言えます。
(3) ワイヤレス化についても、一考の余地あり
日常的な作業環境を整える問題は、USB-Cアダプターの導入によって解決(むしろ進化)しましたが、まだ1つ問題が残っています。
SDカードリーダー用のUSBをどのように新MacBookProにつなぐかという問題です。 USB-C変換アダプターによって、充電用USB-Cケーブル含めて一本化したため、ポートは1基残っている状態になります。
そのため、USB-C←→USB変換アダプターを導入してSDカードリーダーを端末に接続するのが簡単でよいのですが、例えばSDカードリーダーから外付HDDへデータを転送させたい時等、他のUSBデバイスを接続することができなくなります。
そこで、私の場合、SDカードリーダーはワイヤレス化することにしました。これまで有線USBで転送していたデータを、無線で飛ばすということです。
最近のデジタルカメラはスマホ連携等を想定しているため、実はWi-Fi対応している製品が多いです。カメラ自身がネットワークに接続したり、ルーターのようにネットワークを作成したりできるので、カードリーダーを介さずともネットワーク上で接続先の端末機器にデータを送ることができます。
(もし、カメラがWi-Fi対応していなくても、SDカード製品の中には、ワイヤレスでデータ送受信できるものもあります。)
これによって、USB-Cポート1基を空けた状態のまま、以前の作業環境を取り戻すことができました。 新MacBookProでの運用イメージを以下に示します。
新MacBookProのUSB-Cへの全面導入では、どのように、ケーブルをつなぐかを考えるよりも、そもそもケーブルをつなぐ必要があるのか?という点から、ワイヤレス化を考えてみた方が解決が早いものもあるかもしれません。
4. 新MacBookProのUSB-Cへの刷新は案外悪くない
新MacBookPro登場以来、Appleが行ったUSB-Cへの刷新には批判の声も多いと思います。旧MacBookで買い揃えてきた、これまでのアクセサリー類がそのままでは使えなくなってしまったことや、普及しつつあるとはいえ、まだまだ普及途上にあるUSB-Cでしか端末に拡張性を持たせられないということは、思い通りの作業を行うためのツール(道具)としての利便性を著しく落としているのは確かです。
しかし、ワイヤレスで高速通信できるようになってきている等の技術進展に合わせて、端末もどんどん進化しています。今回のUSB-Cへの刷新は、USB-Cという技術規格の浸透をまたずして全面移行してしまったがために、「人がツールに合わせなければいけない」ということになってしまいましたが、自分が使うツールを見直す良い機会になったこともまた確かなことです。
そのことで、私自身は、自分がこれまで慣れ親しんできた、ともすれば、古いまま惰性で続けてしまっている自らの作業スタイルや作業環境のアップデートを行うことにつながりました。 ツールの買い替えを機に自分の作業を見直すことができたという意味では、新MacBookProのUSB-C刷新については、マイナス点だけではなく、プラスに作用する点もあったのではないと思っています。
もし、新MacBookにお引越しを検討されている方にとっては、ご自身が使っているツールや作業環境を今後どのようにアップデートしていくかを考えてみる良い機会になるのではないかと考えます。
それでは。
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