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主要クラウドストレージサービス、 コストパフォーマンスが高いのはどのサービスか? 〜容量別の月額料金を調べてみた〜

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15秒で分かる本稿のポイント

  • 複数のデジタル端末を使いこなしたデータ利用には、クラウドストレージが便利。
  • GoogleDrive、iCloud、OneDrive…クラウドストレージサービスは多種多様でどれが一番良いのか分からない。
  • データの「倉庫」としてのコストパフォーマンスを調査したら、GoogleDriveが無難だけど、容量帯によって最安のサービスは違うので要注意。
  • 自分がどれくらいデータを使うかを一度、考えてから、自分にとって最適なクラウドストレージサービスを選ぶのが経済的な選択

 

いつもの目次はもう少し下にあります。

 

 

 

【背景】クラウドサービスっていっぱいあるけど、どれが良いの?

 現在、COVID-19の影響から、我々の生活の中でもリモートワークが推進され、場所を選ばない働き方の普及が進められています。会社や学校の端末にしかデータが入っていないと、データを扱うためだけに、その端末がある場所まで出向く必要があり、従来の「場所を選ぶ働き方」から抜け出すことが出来ません。

 また、一般の生活においても、スマートデバイスの普及が進み、個人であってもスマートフォンタブレット、パソコンの併用が増えています。高解像度の写真や音楽・音楽をローカルに保存していくと、ローカル容量がすぐにいっぱいになり、ストレージ管理に悩まれている方も多いのではないでしょうか。

 リモートワークも我々のデジタルデバイス利用でも、データ管理を端末のローカルストレージに依存していると、データを使用するために端末の場所まで移動したり、扱うデータを変える度に端末を切り替えたりする必要があり、柔軟なデータ利用が出来ません。

 

 そのような場合は、クラウドストレージを使用すると便利なのですが、クラウドストレージサービスも数多く存在しています。
 そこで、本稿では様々に存在するクラウドストレージサービスの月額料金を比較し、容量別にコストパフォーマンスが良い最適なサービスは何かを調べてみました。

 どれくらいの容量のデータをクラウドストレージに置きたいかによって、最適なサービスも異なります。本稿では「コストパフォーマンス」「最適さ」を、クラウドストレージから得られるパフォーマンスを「利用可能なデータ容量」かかるコストを月額料金(消費税込)として考えています。
 一覧比較の後に、容量別の比較にまとめていますので、以下の目次から、ご自身で必要な容量のリンクをクリックしていただけるとスムーズです。

 

本稿の目次

 

 

【一覧比較】クラウドストレージサービスの月額料金比較

 クラウドストレージサービスの有力候補であるGoogleDrive(GoogleOne*)、iCloudDrive、OneDrive、Dropbox及びAmazonDriveについて、各サービスの容量別の月額料金を以下のグラフに整理しました。
(*GoogleOneはGoogleDriveの有料版サービスの名称です。以下「GoogleDrive」としています。)

 グラフは横軸をストレージ容量、縦軸を月額料金としています。横軸からご自身で使いたいストレージ容量を選び、縦軸上の月額料金をみていただくことで、同じ容量帯で最安となるクラウドストレージサービスを確認いただけます。

 

容量別のクラウドストレージサービス月額料金。容量帯によって最安となるクラウドストレージサービスは異なっている。

容量別のクラウドストレージサービス月額料金

 容量別の各サービスの価格と順位について、以下に整理していきます。

 

 

 

【容量別比較】お手軽利用の15GBからプロ使用にも耐える2TBまで

【容量別比較】〜15GB未満

 使用するストレージ容量が15GBまでで良い場合は、GoogleDriveが特におすすめです。

 GoogleDriveは15GBの容量まで無料で使用することができます。

 他のサービスでは無料で使えるのは5GBまでなので、他サービスで15GBを使用する場合が有料プランへの加入が必須になります。

 他サービスの月額料金はiCloudDriveが130円、AmazonDriveは208円、OneDriveが224円と、いずれも月額130円〜230円程度と少額ではありますが、同じ容量を無料で使用できるのであれば、GoogleDriveを使った方が良いと考えます。

 

 なお、Dropboxは無料で2GBまで使用できますが、小容量の有料プランがなく、有料プランは2TB〜、月額1200円となっています。

 2TBというそこまで大容量のストレージを必要としてない方であれば、検討候補から外してもよいのではないでしょうか。(Dropboxは容量アップの友人招待キャンペーンを実施していますので、キャンペーンを利用すると無料プランでも容量を2GB以上にすることはできます。)

*上記リンクはキャンペーン紹介ページへのリンクなので、クリックいただいても、私のDropbox容量は増えませんのでご安心?ください。

  

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【容量別比較】15GB以上〜50GB未満

 続いて、15GB以上〜50GB未満の容量帯について見てみます。

 15GB以上の容量となると、GoogleDriveの無料プランの範囲を超えますので、いずれのかの有料プランへの加入が必須となります。

 各サービスの価格を見てみると、最安はiCloudDriveの月額130円となります。iPhoneiPadMac等のapple製品をお使いの方であれば、迷わずiCloudDriveで問題ないのではないでしょうか。

 WindowsPCやAndroidスマートフォン等、apple製品以外からもiCloudDriveは使用可能ですが、同期性や使える機能等が限定されている場合もあるので、クラウドストレージに単なる「倉庫」以外の機能を求めている方であれば少し不満が残るかもしれません。

 iCloudDrive以外のサービスでは、GoogleDriveも有料プランとなり、月額209円ほど必要になってきます。その他、AmazonDriveは月額208円、OneDriveは月額224円と、いずれも月額約220円程度となります。

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【容量別比較】50GB以上〜100GB未満

 50GB以上100GB未満の容量帯について見てみます。

 50GB以上の容量を使う場合は、50GBまで最安であったiCloudDriveの価格が変わり、月額400円と高くなります。

 一方で、その他サービスの価格は50GB未満の時と変わらず、月額208円〜224円といずれも200円代で据え置きのため、最安はAmazonDriveの208円となります。

 しかし、AmazonDriveはローカルフォルダとの連携機能(エクスプローラーやFinder上から直接クラウドにデータを置く機能)がないため、データ連携の使い勝手を求める方には少し不便かもしれません。

 GoogleDriveやOneDriveであれば、機能面で充実しており、月額費用も同じ程度のため、AmazonDriveに加え、この辺りを候補として検討するのが良いと考えます。

 クラウドサービス間の機能比較については、他のブログ等で紹介されていると思いますので、検索してそちらをご参照ください

 

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【容量別比較】100GB以上〜200GB未満

 続いて、100GB以上〜200GB未満の容量帯について見てみます。

 100GB以上の容量を使う場合は、料金プランが変わるサービスが多いため注意が必要です。
GoogleDrive、OneDriveとAmazonDriveで、1ランク上の有料プランに変更する必要があります。
 iCloudDriveが月額400円と据え置きな一方で、GoogleDriveでは月額209円→月額317円と110円弱の値上がりとなります。また、AmazonDriveでは月額208円→月額1150円、OneDriveでは月額224円→月額1400円と値上げ幅が大きくなっています。

 100GB以上の容量が必須、あるいは将来的に100GBを超える可能性がある方は、GoogleDriveやiCloudDriveから検討した方が良いと考えます。

 100GBの容量というと、128GBの携帯容量いっぱい分相当です。(スマートフォンでは実際の使用可能容量はOS分が差し引かれます。例えば、128GBのiPhoneでiOS13の場合、100GB程度が実使用可能容量です。)

 128GBのスマートフォン1台分(64GBなら2台分)をクラウドで使いたいと思う方は、将来的な拡張性を考慮し100GB以上の月額料金を比較して、クラウドストレージサービスを検討した方が良いと考えます。

 

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【容量別比較】200GB以上〜1TB未満

 続いて、200GB以上〜1TB未満の容量帯について見てみます。

 200GB以上の容量を使用する場合、各サービスのプランで選べる容量が1TBプランとなり、一気に大容量になります。

 1TBがクラウドストレージサービスの1つの目安なのかは分かりませんが、各サービスともに月額料金は拮抗しています。

 200GBまでのプランで価格が抑えられていたGoogleDriveやiCloudDriveも高価格プランに変更となってきます。

 最安ではGoogleDriveが月額1084円で、次点でAmazonDriveが月額1150円Dropboxが月額1200円です。

 ここで、これまで検討から外れていたDropboxの2TBプランが検討候補に入ってきます。

 とは言え、他のサービスでも、iCloudDriveは月額1300円、OneDriveは月額1400円とサービス間の料金差は大きくありません。

 200GB以上は確実に使い、1TBまでは使わないかなという方は、月額料金よりかは各サービスの機能とご自身の端末環境を考慮して、選ぶ方が良いと考えます。

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【容量別比較】1TB以上〜2TB未満

 続いて、1TB以上〜2TB未満の容量帯を見てみます。

 1TB以上の容量を使用する場合は、サービス間に月額料金に大きな差が出てきますので注意が必要です。

 GoogleDrive、Dropbox、iCloudDriveは1TBの場合と料金が変わらず、最安はGoogleDriveで月額1084円、次点でDropboxが月額1200円iCloudDriveが月額1300円です。2TBまでの使用を想定すると、Dropboxがかなり有力な候補になってきます。

 一方、AmazonDriveとOneDriveで、2TBプランへの変更が必要になり、AmazonDriveで月額1150円→月額2300円、OneDriveで月額1400円→月額2500円となります。

 写真・動画・音楽等の大容量データを取り扱われている方であれば、1TB・2TBといった容量の大きなストレージが必要となると思います。

 GoogleDrive、Dropbox、AmazonDriveといった月額料金が安価なサービスを検討されることで、万が一ストレージが足りなくなっても、同じサービスで容量拡張することで追加費用を抑えることができると思います。

 

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【結論】経済的な選択のためには、自分が使う容量を一度考えて、サービスを選ぼう

 以上、容量別に各クラウドストレージサービスの料金を見てきましたが、使用する容量帯によって最もコストパフォーマンスが高いサービスは異なります

 そのため、ご自身がどれくらいの容量をクラウドストレージに置きたいのかという点を一度考えた上で、使用するクラウドストレージサービスを選択することをおすすめします。

「と言われても、どれくらいの容量が必要になるのか分からないよー」という方は、特定のクラウドストレージサービスに特に思い入れや心配がないのであれば、全ての容量帯において最安価格帯にいるGoogleDriveを使っておけば、大きな損はしないと思います。

 

 一方で、クラウドストレージサービスは価格だけではなく、使える機能もサービスごとに異なっています

 そのため、各サービスで使える機能・特性から得られる効用を考慮すると、更に間違いのない選択ができると思います。

 例えば、クラウドストレージサービスには以下のような機能があります。

  • 「選択型同期」クラウド上のフォルダを、端末ごとに同期・非同期を選択できる。(Dropboxでは出来ますが、iCloudDriveでは出来ません。)
  • 「ローカルフォルダ連携」:Finderやエクスプローラ上にクラウド上のデータフォルダを表示でき、通常のフォルダと同様に、クラウドであることをあまり意識せずに利用できる。(Dropbox、OneDrive、iCloudDriveでは出来ますが、AmazonDriveには出来ません。)
  • 「復元」:一定時間ごとにフォルダ内のデータをバックアップしており、任意時点のバージョンに復元する機能。間違ったデータを上書きしてしまった場合等に、正しい時点まで遡ることができる。(Dropboxの有料最上位プランでは出来ます)

 ただし、筆者も各サービスの機能を網羅的に確認しているわけではないので、上記のサービスごとの機能には抜け漏れや誤りがあるかもしれません。

 誤りがあればコメントやtwitterのDM等にてご指摘いただけると幸いです。

 

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