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ideagram

(心に浮かんだ)「考え」を書いたもの。

佐藤・鈴木・高橋…。よくある名字の分布の地域差を視覚化してみた。

立命館大学が地域別に人口の多い名字を示した 「日本人の名字マップ」なる地図を作製していたことを先ほどtwitterで知った。 


日本人の名字マップ|研究活動|地域研究学域【立命館大学文学部】

 

同大学のWebにアクセスすれば、名字で形作られた日本地図を眺めて遊ぶことができる。日本語版・英語版で画像ファイルのダウンロードも可能である。

 
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このようにカラフルに色分けされて、各地域で多い名字で都道府県が表現されている。
 
また、親切なことに都道府県別の名字一覧のexcelデータも配布してくれているため、各都道府県の上位10位までの名字の個数と比率を簡単に確認することができる。
日本で多い名字は「佐藤」さん、「鈴木」さんや「高橋」さんが有名だと言われているが、エクセルのシートをスクロールして眺めていたら、興味深い傾向が見えてきた。
 

全国で多い名字トップ10 

まず、全国レベルで個数の多い名字のランキングを見てみよう。
(単位が個数なのは現票のままである。人数でも戸数でもなくて…)
全国で多い名字の上位10位は下の表の通りだ。

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皆さんがご想像しているであろう通り、大本命「佐藤さん」が2位「鈴木さん」にかなりの差をつけて首位を占めている。
「高橋さん」「田中さん」は佐藤・鈴木に続くようにしてそれぞれ第3位、第4位。
5位以下は「山本さん」「伊藤さん」「中村さん」「小林さん」「渡辺さん」がだいたい35万個前後で大混戦となっている。
 
どうでしょう、皆さんのお名前は10位以内に入っていただろうか?
「あー、クラスにいたいた!」と思わせるお名前たちのオンパレードだったのではないだろうか!
 
 

佐藤さん、高橋さん、鈴木さんの割合は東高西低。

ともあれ、日本人の名字マップを見てみてもわかるように、名字の分布には大きな地域差や特徴がある。たとえ佐藤さん・鈴木さんが全国最強を誇っているとしても、各都道府県にはそれぞれの最強の名字がいる。さて、下のグラフをご覧頂きたい。

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上位10位中の名字御三家(「佐藤さん」「高橋さん」「鈴木さん」)の分布を都道府県別に示したものである。10位圏外の場合はグラフに示していない。右から北海道、左は沖縄県まで47都道府県ごとに並んでいる。

これを見ると、名字御三家のうち「佐藤さん」「高橋さん」は東北地方から東京を中心とした首都圏に集中していることが分かる。人口が集中する東京によくある名字の分布が集中することは当然のことであろうが、大阪や福岡といった西日本に分布があまり見られないことを考えると「佐藤さん」と「高橋さん」の密度は東日本の方でより高い東高西低の特徴が見られると言えるだろう。
「鈴木さん」については佐藤さん高橋さんと同様に東日本に多く分布していると見られるが、愛知・静岡の中部地方での個数が大きくなっているのが特徴と言えるだろう。
 

山本さん、田中さん、中村さんは西高東低?

佐藤さん・高橋さん・鈴木さんは西日本よりも東日本に多く居るということが見えて来たところで、今度は西日本に目を向けてみよう。下のグラフは西日本で分布が多く見られた「田中さん」「山本さん」「中村さん」の都道府県別個数を示したものだ。 

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田中さん・山本さん・中村さんが大阪府の周辺など西日本に多く分布している傾向が見られる。人口や労働力の集中する東京でもかなりの数の「田中さん」「山本さん」「中村さん」が見られるものの、その規模は佐藤・高橋・鈴木には及ばない。例えば、大阪府に高橋さんは約20,000個(人)居ると見られるが、中村さんは約30,000個(人)。山本さんと高橋さんは約40,000個(人)となっており、それぞれ2高橋さん分も分布している。

何よりも注目すべきは、グラフの棒線部分の広がりである。田中さん・山本さん・中村さんの分布は大阪府や福岡県といった大都市圏を頂点として、その周辺の都府県に広がっていることが分かる。一方で、先ほど佐藤さん・高橋さん・鈴木さんが多く分布していた東北地方にはほとんど田中さん・山本さん・中村さんの影が見られない。
田中さん・山本さん・中村さんは西高東低の分布だと言えるだろう。
6位伊藤さんは中日本に多い。

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なおちなみに「伊藤」さんは中京地域に多いことがわかる。これは鈴木さんの分布と同様の傾向があるように見られる。グラフに書き起こした後に気づいた為、まとめられなかった。全国の伊藤さん、すみません!
 

ともあれ、なぜ地域間の違いが生まれるのか?

えにうぇい、なぜ名字の分布に地域間の違いが生まれているのだろうか。
名字にはルーツの地があると言われている。例えば、佐藤さんのルーツは東国に下った藤原氏の子孫だとされていますし、鈴木さんは和歌山県の神官の子孫だと言われている。ただそれらのルーツは多様であり、さらに明治以降は庶民も姓を持つようになったことで同じ名字だとしてもルーツが異なるようになり名字が出自を表すとは限らなくなった。
しかし、上のグラフのように名字の分布に地域差が見えるということは、名字には地縁的な特徴があるのかもしれない。全国から人口が集中している東京都やその周辺圏はもはや「名字のるつぼ」であり、地域間特徴が見えづらくなっているにしろ、なぜ東北地方に田中さん・山本さんが少ないのか?なぜ関西には佐藤さん・鈴木さんが少ないのか? その謎は非常に興味深い。