ideagram

(心に浮かんだ)「考え」を書いたもの。

「囚人のジレンマ」を分かりやすく説明しようと試みたけど難しかった。

囚人のジレンマ」って

 行動経済学の本を読んでいた時に見かけたので、改めて整理してみた。経済学のゲーム理論では基本的かつ重要な概念であります。

 複数で犯罪を行った犯人たちが捕まり、それぞれ別々にされ警察からの取調べを受けているとします。「相手を裏切れば自分は無罪になり、黙秘を貫いたとしても相手が自分を裏切り損を被るかもしれない」という犯人たちが置かれる状況から囚人のジレンマと言われる。 

f:id:ideagram:20150301015200p:plain

お互いが黙秘すれば、お互いに懲役1年。
お互いが自白すれば、お互いに懲役5年となるとする。
しかし、片方のAが黙秘してBが自白した場合はAが懲役10年、Bが無罪となるとする。
その逆にBが黙秘し、Aが自白した場合はBが懲役10年、Aが無罪となる。

 

 この場合、AとBはどのように行動するのだろうか。

AとBにとってはお互いに口裏を合わせていかなる取り調べにも「黙秘」を貫くことがお互いの利益を最大化する選択である。それにはお互いが協調的な行動を選択する必要がある。

 しかし、Bにとっては自白することが自己の利益を最大化することになる。(Aにとっても同様である)。もし、Aが黙秘を貫いた場合、Bが受けることになる刑罰は「黙秘」で1年、「自白」だと無罪である。BにとってはAを裏切り自白した方が得になる。

 さらに逆にAがBを裏切って自白したとすると、Bは「黙秘」すると懲役10年、「自白」すると懲役5年となる。10年の懲役か、5年の懲役かを選ぶとAを裏切り自白することの方がBにとっては損害を小さくすることになる。

 これはAにとっても同様であり、お互いの行動に関わらずそれぞれ「自白」した方が最適な選択ということになる。なお、AとBが最適な行動を取り合い、安定的な状況にあることをゲーム理論では「ナッシュ均衡」と呼ぶが、この場合の均衡はAとBがお互いに「自白」し、それぞれ懲役5年となることである。

 

結局のところ人は裏切る (但し、理論的には)

 いずれにせよ、AとBそれぞれは自白した方が得ということになる。しかし、AとBが最適な選択だと思って行動した結果に導き出される結末はお互いに懲役5年というどちらも望んでいない答えとなる。

  この囚人のジレンマが示している重要な点は、口裏を合わせてお互いに黙秘をする約束をしていたとしても、結局のところ(理論的には)人は「裏切る」という選択をするということである。


  もちろん、依田高典が指摘するように(「ゲーム理論の泣き所」依田高典『行動経済学中公新書p195)、この囚人のジレンマの理論は必ずしも的中率が高いわけではなく、必ずしも現実に当てはまるとは言えない。現実の経済・社会には談合やカルテルなどお互いの協調によって、裏切ることなくお互いの利益を最大化する行動が取られている場合があるからである。
 人間は経済学的な意味での“合理的”な行動を取るとは限らない。それは人の行動選択の判断には、相手との利害関係や親密性・親近感といった人間らしい要素が大いに含まれるからである。だからこそ人間は予想以上に不可解な行動を取るのである(だからこそ、行動経済学が盛んに研究されているのですけれども)。

 逆に言えば、この「囚人のジレンマ」の理論がぴったりと適用される現象においては、AとBのお互いが自己の利益を最適化するためのいわゆる「合理的」、経済的な行動選択をしているということである。もしかしたら両者の関係性の中には、人の合理的な行動を阻害する“人間らしい要素”が極めて欠如している状態なのかもしれない。 

佐藤・鈴木・高橋…。よくある名字の分布の地域差を視覚化してみた。

立命館大学が地域別に人口の多い名字を示した 「日本人の名字マップ」なる地図を作製していたことを先ほどtwitterで知った。 


日本人の名字マップ|研究活動|地域研究学域【立命館大学文学部】

 

同大学のWebにアクセスすれば、名字で形作られた日本地図を眺めて遊ぶことができる。日本語版・英語版で画像ファイルのダウンロードも可能である。

 
f:id:ideagram:20150221115237p:plain
このようにカラフルに色分けされて、各地域で多い名字で都道府県が表現されている。
 
また、親切なことに都道府県別の名字一覧のexcelデータも配布してくれているため、各都道府県の上位10位までの名字の個数と比率を簡単に確認することができる。
日本で多い名字は「佐藤」さん、「鈴木」さんや「高橋」さんが有名だと言われているが、エクセルのシートをスクロールして眺めていたら、興味深い傾向が見えてきた。
 

全国で多い名字トップ10 

まず、全国レベルで個数の多い名字のランキングを見てみよう。
(単位が個数なのは現票のままである。人数でも戸数でもなくて…)
全国で多い名字の上位10位は下の表の通りだ。

f:id:ideagram:20150221144613p:plain

皆さんがご想像しているであろう通り、大本命「佐藤さん」が2位「鈴木さん」にかなりの差をつけて首位を占めている。
「高橋さん」「田中さん」は佐藤・鈴木に続くようにしてそれぞれ第3位、第4位。
5位以下は「山本さん」「伊藤さん」「中村さん」「小林さん」「渡辺さん」がだいたい35万個前後で大混戦となっている。
 
どうでしょう、皆さんのお名前は10位以内に入っていただろうか?
「あー、クラスにいたいた!」と思わせるお名前たちのオンパレードだったのではないだろうか!
 
 

佐藤さん、高橋さん、鈴木さんの割合は東高西低。

ともあれ、日本人の名字マップを見てみてもわかるように、名字の分布には大きな地域差や特徴がある。たとえ佐藤さん・鈴木さんが全国最強を誇っているとしても、各都道府県にはそれぞれの最強の名字がいる。さて、下のグラフをご覧頂きたい。

f:id:ideagram:20150221115244p:plain

上位10位中の名字御三家(「佐藤さん」「高橋さん」「鈴木さん」)の分布を都道府県別に示したものである。10位圏外の場合はグラフに示していない。右から北海道、左は沖縄県まで47都道府県ごとに並んでいる。

これを見ると、名字御三家のうち「佐藤さん」「高橋さん」は東北地方から東京を中心とした首都圏に集中していることが分かる。人口が集中する東京によくある名字の分布が集中することは当然のことであろうが、大阪や福岡といった西日本に分布があまり見られないことを考えると「佐藤さん」と「高橋さん」の密度は東日本の方でより高い東高西低の特徴が見られると言えるだろう。
「鈴木さん」については佐藤さん高橋さんと同様に東日本に多く分布していると見られるが、愛知・静岡の中部地方での個数が大きくなっているのが特徴と言えるだろう。
 

山本さん、田中さん、中村さんは西高東低?

佐藤さん・高橋さん・鈴木さんは西日本よりも東日本に多く居るということが見えて来たところで、今度は西日本に目を向けてみよう。下のグラフは西日本で分布が多く見られた「田中さん」「山本さん」「中村さん」の都道府県別個数を示したものだ。 

f:id:ideagram:20150221115335p:plain

田中さん・山本さん・中村さんが大阪府の周辺など西日本に多く分布している傾向が見られる。人口や労働力の集中する東京でもかなりの数の「田中さん」「山本さん」「中村さん」が見られるものの、その規模は佐藤・高橋・鈴木には及ばない。例えば、大阪府に高橋さんは約20,000個(人)居ると見られるが、中村さんは約30,000個(人)。山本さんと高橋さんは約40,000個(人)となっており、それぞれ2高橋さん分も分布している。

何よりも注目すべきは、グラフの棒線部分の広がりである。田中さん・山本さん・中村さんの分布は大阪府や福岡県といった大都市圏を頂点として、その周辺の都府県に広がっていることが分かる。一方で、先ほど佐藤さん・高橋さん・鈴木さんが多く分布していた東北地方にはほとんど田中さん・山本さん・中村さんの影が見られない。
田中さん・山本さん・中村さんは西高東低の分布だと言えるだろう。
6位伊藤さんは中日本に多い。

f:id:ideagram:20150221115413p:plain

なおちなみに「伊藤」さんは中京地域に多いことがわかる。これは鈴木さんの分布と同様の傾向があるように見られる。グラフに書き起こした後に気づいた為、まとめられなかった。全国の伊藤さん、すみません!
 

ともあれ、なぜ地域間の違いが生まれるのか?

えにうぇい、なぜ名字の分布に地域間の違いが生まれているのだろうか。
名字にはルーツの地があると言われている。例えば、佐藤さんのルーツは東国に下った藤原氏の子孫だとされていますし、鈴木さんは和歌山県の神官の子孫だと言われている。ただそれらのルーツは多様であり、さらに明治以降は庶民も姓を持つようになったことで同じ名字だとしてもルーツが異なるようになり名字が出自を表すとは限らなくなった。
しかし、上のグラフのように名字の分布に地域差が見えるということは、名字には地縁的な特徴があるのかもしれない。全国から人口が集中している東京都やその周辺圏はもはや「名字のるつぼ」であり、地域間特徴が見えづらくなっているにしろ、なぜ東北地方に田中さん・山本さんが少ないのか?なぜ関西には佐藤さん・鈴木さんが少ないのか? その謎は非常に興味深い。
 

JiNS(ジンズ)のPCメガネはなぜスゴいのか

一日中、ずっとパソコンの前にいることが増えたため、JiNS(ジンズ)でPCメガネを買ってみました。使い続けているうちに、PCメガネのスゴさを感じるようになりました。 
 
JiNSのPCメガネはなぜスゴいのか。
− それはメガネという道具の“イノベーション”だからではないでしょうか。
 

【検討】三種の神器・八咫鏡は何製だったのか?

 友人がフェイスブックに投稿した記事の中に、面白い問題があったのでやってみました。

 それは、いわゆる「三種の神器」と呼ばれる神具の中のひとつ「八咫鏡(やたのかがみ)」の素材を考察するというもの。神々の歴史を紐とくロマン。これは面白そうだと思って、金属の融点と蒸発温度の差から八咫鏡の素材が何だったのか、少し考えてみました。

続きを読む

ブログ、はじめます。

ideagramとは、
【idea】アイデア。(心に浮かんだ)考えのこと。
【-gram】〜を書いたものの意。
という二つの言葉を組み合わせた造語です。


日々情報を一方的に消費するだけの習慣が続き、自分の頭の中に浮かんだ考えを言葉として紡ぎ出すチカラ、言語表現の力が弱ってきているなぁと思うことが多くなりました。

情報を見聞きする中で自分の頭や心に浮かぶ考えや思い付きを、言葉として表現できるような場が欲しくなり、ブログを書き始めることにしました。

人にわかりやすく伝えることの大事さ。
頭では分かっているけどなかなか難しいですよね。ブログを通じて作文を少しずつ重ねることで、自分の考えを人に伝えることができるようになっていけたら。と思います。

祈りのあいだで~ラオスで「豊かさ」について考えたこと

(引っ越し元ブログからの転載です)

 

f:id:ideagram:20141120101146j:plain

 

-8月27日。ルアンパバーンにて。

世界遺産ルアンパバーンの托鉢」は殊に有名らしい。

総勢約1000名もの坊さんが毎朝、町中の通りを歩き、

敬虔な仏教徒であるラオスの人々は托鉢のために通りに並ぶのだ。

もちろんそれを見るためにルアンパバーンの町を訪れる観光客も多い。

その観光客のために、通りに椅子を並べて「托鉢体験」を提供したり

喜捨用のカオニャオ(もち米)とお菓子をセット売りしたりしている人々もいる。

観光地の人々は、やはりなかなかの商売上手だ。

ルアンパバーンの托鉢は、確かに壮観ではある。

 

続きを読む